世界からコーヒーが消えたなら
世界からコーヒーが消えたなら。
朝は何の香りを楽しみに、ベッドから起き上がればいいのだろう。
世界からコーヒーが消えたなら。
本のとなりには、何をおいたらいいのだろう。それに、チョコレートを放り込んだ口には、何を含めばいい?
世界からコーヒーが消えたなら。
ぽた、ぽた、という穏やかな3分を過ごすことは無くなるかもしれない。
もし、世界にコーヒーが存在していなかったら。
疲れた心は、何が癒してくれたのだろう。
もし、世界にコーヒーが存在していなかったら。
どうやって言葉にできない感謝を伝えたのだろう。
もし、世界にコーヒーが存在していなかったら。
あの人や、あの人、大切なあの人達とは出会えたのだろうか。
世界からコーヒーが消えても、もしかしたら、何も変わらないのかもしれない。
世界からコーヒーが消えても、陽は昇るし夜はやってくる。
世界からコーヒーが消えても、世界が逆転するわけじゃない。
世界からコーヒーが消えても、人は生きていけるのかもしれない。
だけれど、そんな「必要不可欠ではないもの」がもたらしてくれたものは、いつしか「必要不可欠」なものになっていた。
コーヒーがもたらしてくれたものに支えられて、私は今日も生きている。
これからも、コーヒーが世界から無くなりませんように。
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