「手軽に充実した日々」は現在製造中止です
4月8日感染拡大の可能性のある都道府県には国から、その後、私の住んでいる愛知県や東海では県から、緊急事態宣言が発出された。
【家から出ることを極力自粛するように】と呼びかけることで感染拡大を防ぐ、とても意味のあるものだ。
これまで、いかに効率よく「たくさんのタスクをこなすか」「無駄を省くか」「作業を減らし有意義な時間を増やすか」ということに重きを置いてきた現代人において、「生きるために必要なことだけして、家にいてくださいね」と言うのは、なかなか堪えるらしい。
確かに、家事を極力手をかけないようにする家電がどんどん開発され、時間を最大限「自由に過ごす」ためにどうするか、と必死に考えてきた結果、今この状況では時間を持て余してしまうのだ。
今まで「何をしようか」と考えなくても一歩外に出れば楽しいことがたくさんあった。「楽しそうなイベント」に行けば、「新しいショッピングセンター」に行けば、お金を払えば簡単に「充実した日々」を買うことができた。
だけれど、当たり前に買えていた「充実した日々」は、現在製造中止となり、世界中のどこを見渡しても売っていない。(ネットの中には売っているかもしれない)
この状況で「充実した日々」を過ごすには、毎日をDIYするしかないのだ。
DIY…Do It Yourself
自分で、やってみる。頭を使って、やってみる。自分の人生を自分でやってみる、というのは当たり前かのように思えるけれど、これまでいかに「自分で日々をやってこなかったのか」ということを思い知らされている。
私の住んでいる山では、人生DIY型じいちゃんがたくさん住んでいる。このおじいちゃん達、コロナ騒動があっても日々の生活はほとんど変わっていないように思う。
おそらく、食料にもさほど困らないかもしれない。(おすそ分けするほどの野菜やらお米やらで数週間は生きられそう)
いま、持て余した時間を使って、おうちで工作をするキットが売れているらしい。「わざわざ」を買って「手軽にわざわざ」をしているあたりがなんとも面白い。人間とは矛盾の生き物だ。
そんなこんなで、時間的に余裕がなくて家でコーヒーを「わざわざ」淹れなかった層のお客さんに、「手軽にわざわざ」という体験を提供するセットを思考中。
大事なのは、効率を追求しないということ。自分でやってる感を手軽に出させてあげること。(需要があるのかは、まだ調査中)
なんだか楽しくなってきた。この考えている時間は、誰かに売ってもらった「充実」ではない。ちょっと歪に曲がったり、回り道したりしながら得る、完璧じゃない「DIY型の充実」だ。
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