2020に気付いたこと
2020年も今日で終わりらしい。
いつもは「今年も穏やかでしたな」なんて言って締めれるところが、今回ばかりはそうもいかない。2020年はご多分に漏れずエキサイティングな1年だった。
街から人がどんどん居なくなって、太陽だけが脳天気に降り注ぐあの春の光景を、私は一生忘れないだろう。緊急事態宣言。営業するのかしないのか。そんな大事なことを数日で決定しないといけないという焦り。
結局、私は営業することを選んだ。
あの時の心細くて「選択間違えたのかな」と思うような日々に、温かい言葉をかけてくれた人のことを、一緒に頑張ろうねと言い合った人たちのことを一生忘れないだろう。
一度踏ん切りがついてしまえば、怖いものはなかった。
2020年に得たものは、自分がどれほど「いつもどおりコーヒーを淹れること」を愛しているか、という、今までわかりきっていると思っていた事の強度を増した再確認だった。
コーヒーを淹れていて、万が一、死ぬようなことがあれば。それは本望ではないか、とすら思った。
例えば、病気のおじいちゃんが「タバコやめなきゃ死にますよ!」と言われているにもかかわらず「タバコをやめるくらいならわしは死んだほうがマシだ!」とか言っちゃうようなあの感じ。
F1レーサーが、死ぬ可能性を携えながら、コースに向かうあの感じ。(これはかっこよく言い過ぎかもしれない)
とにかく、周りの人が呆れちゃうような「やめとけばいいのに、アホだなあ、、」「でも、それがあの人っぽいよね」と呆れながらも許容しちゃうようなあの感じ。
もちろん、家族に迷惑がかかったり、周りに迷惑がかかることもある。子どもがいるのに無責任ではないか、と言われることも重々承知。それでも、生きていることとお店に立つことは=で結ばれていて、それくらいの決意でお店に立っている、ということを再確認した。
いつもの日々が、好きで好きで仕方がない。
街を見守りながらコーヒーを淹れることが、好きで好きで仕方がない。
今日が始まる瞬間が、好きで好きで仕方がない。
自分の人生をこれほど愛せる、など10年前は思いもしなかった。
これのためなら死んでもいい、と思えるような仕事。ふつうの毎日が、とてつもなく大切な毎日。そんなことを気付かせてくれた。
たくさんの人が苦しんだ2020年。
たくさんの人が学んだ2020年。
たくさんの人が気づいた2020年。
良いことばかりではなかったかもしれないけれど、悪いことばかりでもなかった。
来年も、自分の愛する日々をひたすら歩いていきたい。
今年もつたない文章を読んでいただいたあなたへ。
心から御礼申し上げます。
ありがとうございました。
何が起こるかわからない世の中だけれど、人生ってきっとはじめからそういうもの。確約されていることなんて、何一つない。今までだって、ずっとそうだった。
来年も、頑張ろう。一緒に。
STREETCOFFEE&BOOKS
中島希
関連記事
コメント6件
今年はじめてお店に伺って、
すごくすごく安心してなにかをみつけて癒されて、
生きていることが、世界が、
きらきらと輝いてみえたことを覚えています。
好きで好きで仕方がない、
今日が始まる瞬間が、、
すっごくぐっときてなんだか泣きそうです、
のぞみさん、今年はどうもありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
お会いできる瞬間も、ブログの言葉、想いも、
いつも、きゅんであります。こころが動きます。
いろいろ変化が始まる年になってしまいましたね〜^ ^
2020年お疲れ様でした。
もしもの時に人の本性が見れる。みたいな
年だったなぁ。持ち場、立場で感じる事、
やれる事、いろいろやけど
自分には何が出来るのか?って
考えさせられた一年。
ありがたい事にこんな時代でも
普段と変わりなく仕事があり、給料が貰え
危機感なんて程遠い世界に居た。
それが気持ち悪かった・・・
そんな時は駅前に足を運び、
一杯のコーヒーを片手に、
いろんな人を観察し、街の空気を感じ
世間との距離感を確かめた。
そんな場所がある幸せ。
店が開いてる事で、救われた人が
間違いなくここに居る。
あなたのコーヒーで、つくる空気で。
仕事がある幸せ、当たり前に訪れる朝に
感謝しながら、誰かの為になると信じて
目の前の事に一生懸命になろうと思えた。
ホンマにありがとう。
2021年もお世話になります。