逆風と追い風
キッチンブラザーズが倒産した。
キッチンブラザースとは、飲食店用のBtoBプラットフォームである。いわば食材のZOZOTOWNのような感じで、購入者は飲食店を営んでいる人限定。
小規模の製造者と小規模の店舗にとって非常に使い勝手がよく、季節ごとの提案や、新しい提携先の情報もマメに掲載しており、商品のことだけでなく【お店の人の考える、いいお店とは】のような連載も面白かった。
たくさん製造は出来ないけれど丁寧に作った商品を卸価格で販売してくれる。郵送で、試飲や試食も出来る。納品後、すべての購入金額をまとめて請求してくれる。
とてもいいサービスだった。
私もカカオのパウダーをここで見つけて、ホットチョコレートやカフェショコラ用に、定期的に送ってもらっていた。
その取引先から【キッチンブラザーズが倒産したので、今後の注文は直接メールにてお願いします】とかいてあるメールが届いた。そのメールの届いた時間は深夜0:30過ぎ。すべての取扱業者を検索し直して連絡を取っていたのだろう。直に取引していない分、取扱店の連絡先すらわからないはずだ。
この人、いったい何時まで作業していたのだろ、、ということに胸が痛くなった。
調べてみると【提携していた業者は2月の売上が入金されない(3月分はどうなるかわからない)】らしい。大変なことだ。小規模製造者であれば、甚大なダメージ。1つの会社の倒産によって、こんなにも影響が出るのだと思うと鳥肌が立った。
そんなことを検索していたら、まさにキッチンブラザーズを利用していた【伊良コーラ】のクラウドファンディングのページが出てきた。
相当厳しいダメージをくらったのにも関わらず、それをポジティブにとらえ、早急に次の行動に移している。クラウドファンディングって、こういう時にものすごく力を発揮するのかもしれない。もちろん、これまでの信頼や築いてきた関係があってこそ、なのだけれど。
気付いたら、支援のボタンをポチってしまっていた。読んでいる間に感情が乗ってしまって、思わず押してしまうクラウドファンディング。最高だ。リターンを吟味する間もなかった。すごいのは、このタイミングで支援した人がリターンの商品を気に入れば、その後顧客になる可能性もあるという点。思いが伝わったらファンにだってなりうる。
すごいな、強いな、と思った。
これから生き残っていく人は、こういう人なのだろうな。置かれた状況に、素早く対応する能力。頭で考えるより、動く力。それは、日頃からの「信頼される人や企業」であることとの掛け算によって大きな力になる。
コツコツ積み重ねた日々の足し算がある前提。ここは結構大事なポイントであるようにも思う。
もしよかったら、伊良コーラのクラウドファンディングのページ、最初の方から見てみてください。グッとくるものがあるかもしれません。
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