理解と探求の年
2022年、今年も1年ありがとうございました。
今年はどんな年だったかなあ、と振り返ると、いつもよりもっともっと深く潜ることができた年のような気がします。深く潜ってばっかりで、前にはそんなに進めていないのかもしれない。
ただ、立っている場所はそんなに変わらないけれど、見える景色はまるで違う。見える景色が違うということは、自分の世界を構成している内容が鮮やかになった。
そういう感じです。
コーヒーを淹れながら生きていきたいのか、コーヒーを淹れながら死にたいのか、と考えた時、私はコーヒーを淹れながら死にたいな、と思いました。
ぽたり、ぽたり、と滴る褐色の液体を眺めながら、できれば老衰で、眠るように死にたい。
ドリップしているあの瞬間は、わたしにとって何よりも穏やかな平和でした。
その空間に存在しているすべての人の恨みも、憎しみも、恐怖も、苛立ちも、全部消し去ってしまうような、時が止まったかのようで、静かに動き続けているあの時間。
「あなた」と「わたし」がそれぞれの方向から一点を見つめ、目を凝らし耳を澄まし、すべての揺らぎを見逃すまいと貪欲に求めるあの時間。
私は、いつの日か、そういう平和の中で生涯を終えたい。
感じて、考えて、気付いて、気付かせてもらった年でもありました。
相手との差異を見つけた時、それがどうしてなのかを考える。それは自分を知る手掛かりでもあり、相手を認めて理解しようとする営みでもあり、見える世界を広げる学びでもある。
自分に向き合うことは、時に痛みを伴う。どうしようもなく、ダメな自分とも向き合わなきゃいけないし、自分に嘘をついていたらそれ以上先には進めない。
もっと、もっと、向こう側の景色がみたいのなら、向き合い続けなくちゃいけない。
どうやら33年間、私が執着していたのは、無情なまでの平和の追求でした。
好きなものも、嫌いなものも、近くのものも、遠くのものも、似ているものも、相反するものも、どんな感情も、どんな生き様も、この地球上に存在するすべてを愛でたい。
すべてを愛おしみ、慈しみ、生きていきたい。すべてを愛するために、愛に強弱をつけない。
たったそれだけでした。
自分の本質を理解したのであれば、そこから先はその方向を微調整しながら、より「生きていきたい社会」に向かって歩いていけばいい。そんな確信を得た年でもありました。
すっごくすっごくすっごーく楽しかった2022年。関わってくれたすべての方が、穏やかな翌年を迎えられますように。まだ見ぬすべての方が、豊かで愛おしい日々を過ごせますように。
共に居てくれる人たちも、離れてしまった人たちも、地球上のどんな人たちもが自分の居場所を心の中にもてますように。
今年もありがとうございました。良いお年を。
STREET COFFEE&BOOKS 中島希
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コメント4件
差異によって相手を知ることができるとは思ってたけど、差異で自分を知るという意識は弱かったかも。それって、ある意味おごりでもあるし、無意識に自分と向き合うことから逃げてた場面もあったかも、と気づかされました。ちょっと刺さりました。
それにしても33歳で老衰願望なんて、なんて長期的な目標。
目標達成まではまだまだ時間がありそうなので、またじっくり話もしたいなぁ、って思ってます。
駅前のあの空間はとてつもないパワースポット
おかげて私はまだ生きることが出来ている
店主さん、店員さん、コーヒーを通してあの空間で出会えた方々に感謝
私にとって2022年は一つの区切りの年、2023年は一歩踏み出して新しい何かを見つけられたら良いな
2022年、癒やしの時間・空間をありがとうございました
2023年も素敵な出来事の沢山ある年であります様に