ひととはたらく

ひとりで仕事をしはじめて、かれこれ10年弱。その間、ずっとずっと避けていたのが「ひとと働く」ということでした。

「伝えることの難しさ」から逃げていた、と言えるかもしれません。

わたしがお店を営む上で大切にしていることは、ほんとにほんとに些細なことで、大多数の人からしたら「どうでもいいようなこと」で、ほんのちょっとのニュアンスだったりして、、それを誰かと共有して一緒に大切にしてもらうのは極めて困難ではないか、と。

それを伝えることに労力を使うのであれば、目の前の人に力を使い切りたい、と思っていました。

だけれど、「一人の力や時間には限界がある」こともよくよく分かっていて。本当は、いつだって街に対してひらいた場所でありたいと思いつつも、それが出来ていないことに対する負い目のようなものも存在していて。

そんなときに「一緒にやってみよう!」という話の流れになるような女の子に出会えたことは、とても幸福なことで。決して募集していたわけでもなく、変化の必要に迫られていたわけでもない。それでも一緒にやってみよう、と思えたのは彼女だったから。

そんなわけで、来週から正式にゆかちゃんにお店に入ってもらうことになりました。

基本的には、朝の営業をおまかせしたいと思っています。

オープン時間を3時間早めて、7時からに変更します。クローズは前と変わらず16時です。

とりあえずは様子をみながらゆっくり営業してみよう、ということでInstagramなどの営業時間の記載は変更せず、いつも通る人に「朝からコーヒーはじめたよ」と、認識してもらうところからはじめます。(ブログは、見ている人が極めて少ないので書いちゃってます)

今後、土曜+祝日も営業していく予定です。※その際はカレンダーを変更します。

ゆかちゃんには、朝の時間+土曜+祝日を手伝ってもらいたいと思っています。

コーヒーのことはもちろんだけれど、そうじゃない部分のほうを伝えることのほうが難しいなあと日々感じてます。なんせこのお店にはマニュアルなんてものは一切なくて、その都度その都度、全部がイレギュラーだから。

「今、なんでこういう動きをしたのか」「この状況なら何が優先か」「今、どの人がどんな感情をかかえている可能性があるか」この気温なら、この天気なら、この時間なら。毎日、毎杯、全部違う。

マグカップか、紙コップかの聞き方ひとつだって、相手の服装や持っている荷物、子どもと一緒か否か、天気によっても違う。「聞く」ことだけじゃない「聞き方」だって重要。それを、今度また来てもらったときのために、ひとりひとりインプットしていく。インプットはするけど、決めつけない。

例えば、あきらかに電車の時間を気にしている人や、朝スーツ姿でせわしなく電話中の人に「紙コップにしますか?マグカップにしますか?」とは聞かない。聞くことだけが正しいことじゃない。聞かないことが優しいこともある。

この辺のことを「そんなのどっちでもいいじゃん」と一蹴されてしまうのが怖くて、伝える難しさから逃げていました。でも、これからは向き合っていこうと思います。

はじめはきっと間違えちゃうこともある。失敗しちゃうこともある。わたしだって、読みが外れたり、間違えちゃうこともある。だけど、毎回毎回考える癖がつくように、察する感性を養えるように、一緒に考えていけたらいいなと思います。

ゆかちゃん、これからよろしくお願いします。わたしも、一緒に成長できるようにがんばります。

来週、9日よりこっそり7時オープンです。

2021年11月06日 | Posted in ブログ, 最近の出来事 | | 4 Comments » 

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コメント4件

  • norisan420 より:

    『伝える事の難しさ』
    伝えないと分からない事。
    感じで欲しい事。
    伝えてもうまく伝わらない事。
    難しいよね。

    自分がもう1人。とはならないから。

    朝珈琲いいね
    いろんな人の挑戦が刺激になります。

    一度お店で見かけた、勉強熱心な彼女。
    ここに至るまでにいろいろあったんやろうなぁ。

    陰ながら応援してしてます。

    • NOZOMI より:

      norisan420 さん

      本当にそうですね。
      もしかしたら、そもそも自分が正解であるとも限らない、教えてるつもりが教えられていることもあったりして。
      もう、一緒に考えて、一緒に学んでいくしかないのかもしれないですね。

      そうそう、その彼女!
      今、一生懸命頑張ってくれていて、わたしももっと頑張らなきゃ!と、いい意味で刺激になってます^^!
      またぜひ、近いうちに♪

  • ゆか より:

    のぞみさんのお店が大好きで大好きで、勝手に、ここはわたしの居場所だぁ、すっごい安心する〜、、気分が落ち込んでいて世界が灰色に見えたときにたまたま伺うと世界がきらめきだして、生きていることに安心できました。

    コーヒーといっしょにいたいなぁと思っていたけれど、お店に伺ううちに、猛烈に、こうやって淹れて、こうやって渡して、ひとと関わって生きていきたいと思っていました。

    今回、朝などに中で淹れさせていただけることになり、とても幸運でとてもとても、ありがたいです。
    本当に、ありがとうございます。

    いまお店で練習でなくて本番、なのですが、お客さんに淹れさせてもらっていると、自分の不甲斐なさがすごいのですが、
    書いていただいた、毎回毎回考える癖がつくように、察すれる感性が養えるように、精進していきます。

    こうするといいかもねぇ、と色んな可能性を含めた上で伝えてくださり、本当にありがとうございます。
    ハッとして毎回気づきが沢山!!あって、ほんとにありがたい、です。こんなに良くしていただいて、わたしにはなにができるんだ、と思います。

    のぞみさん、こちらこそ、これからよろしくおねがいします。不甲斐なさ満点のため、伸びしろ多しとも考え、日々成長できるように、がんばります。

    • NOZOMI より:

      ゆかちゃん

      とりあえず、一週間、朝早くからおつかれさまでした^^一緒にやってみて、わたしの方こそお客さんに対してもコーヒーに対してもひたむきに向き合っているところに刺激を受けています。何年も続けて慣れてしまっていた部分がたくさんあったなあ、と初心を思い出させてもらっているような気持ちです。いつも一所懸命吸収しようとしてくれてありがとう。

      わたしのやりかた、感じ方、考え方、がすべて正しいとも限らない。ゆかちゃんは、ゆかちゃんの感じた方法で、やりかたで、目の前の人と対話していってもらえたら本望です。
      まだまだ始まったばかり、ゆっくりいきましょ◎いつもありがとう^^!

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