ゆっくり、いそげ/影山知明
ゆっくりいそげ 影山知明
「経済は、目的なのか手段なのか。人々が幸福感を持って日々を生きる、そのために経済がある。」
現在、経済が目的になっている会社や業態がとても多いように感じる。たくさん売り上げを作り、利益の最大化を目指すこと。それが、そこで働く人やその家族の幸せを作る。それも一つの正解であるし、そういった社会のおかげで、今の日本や経済は成り立っている。でも、すべてがそうじゃなくても、いいのではないか?
経済は【目的】ではなく、あくまで働く人や会社を存続させるための【手段】である。
働く人々が幸福感をもって、日々を生きること。その為に、それに応じた売り上げや利益を出す必要がある。ただ、利益を最大に出すことが目的ではない。働く人々が幸せであること、が目的である。
「お金は、受け取るための道具」
商売の中で、価値やモノやサービスを受けるとき。売る人と買う人が【与える×与える】の関係であるのか、【受け取る×受け取る】の関係であるのか、その違いはたび重なるごとに、大きな差を生む。分かりやすく言うと「より、良いものをどうぞ×それに見合った金額をどうぞ」とするのか「より、良いものをください×それに見合った金額をください」となるのか。
やりとり自体は一緒である。ものとお金の交換である。すべての商売を与える関係で続けることは、難しいかもしれない。でも、そういうお店があってもいいのではないのか。
影山さんは、実は隣の岡崎市出身。東京大学法学部卒業後、マッキンゼーに就職。その後、東京都の西国分寺に【クルミドコーヒー】をオープンさせる。地域通貨の普及やクルミド出版という出版社を通じて【続・ゆっくり、いそげ】も出版されている。
読むごとに、大切なことを思い出せる本。小さなお店を営む人や、大きな会社で働く会社員の人、働くすべての人に。
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